有料老人ホームの費用が払えなくなったときの末路【対処法あり】

 

親を有料老人ホームに預けていると、

 

 

・収入が減るかも…

 

・親の資産を詳しく把握していない

 

・自分の体調が悪くて働けなくなった

 

・親が思った以上に長生きしてしまった

 

・有料老人ホームからの介護にかかる請求が上がった

 

 

 

…といった理由から「この先お金が払えなくなったらどうしよう」と不安を抱えてしまうケースは非常に多いです。

 

この記事では、このような悩みを持つ人に向けて

 

 

・有料老人ホームの費用が払えなくなったらどうなるの?

 

・払えなくなったときの対処法はある?

 

・そもそも払えなくならないようにするためには?

 

 

 

といった疑問に答えます。

 

この記事を読むと、「有料老人ホームの費用を払うお金がなくなった場合の現実」「払えなくなりそうなときの対処法」まですべてわかります。

 

これから親を有料老人ホームに預けたい…と考えている人もぜひご覧ください。

 

>> 「有料老人ホームの探し方・選び方」を知りたい方はこちらをどうぞ。

 

 

しろたぬ
しろたぬ

筆者は歯科医師です。

 

祖母の在宅介護を6年したあと、有料老人ホームに預けた経験があります。普段は老人ホームで介護の必要な高齢者の歯の治療をしています。

 

毎日 Twitter(ありがたいことに1万人以上の方にフォローしてもらっています!)で医療と介護の情報を発信しています。

 

 

 

有料老人ホームの費用が払えなくなったときの末路

 

結論:退去です

 

結論、有料老人ホームの費用が払えなくなったときは退去させられてしまいます。

 

これは賃貸アパートやマンションを借りているときと同じです。

 

有料老人ホームのような介護施設は居住する場所を有償で提供しているので、費用が払えない人を住まわせておくことはできません。

 

退去にいたるには、

 

支払い遅延の繰り返し

一定期間以上の滞納

 

が原因となります。

 

 

退去までの流れ【猶予がある】

 

退去までの流れは以下のとおりです。

 

 

利用者が利用料の支払いを度々遅延・一定期間滞納

有料老人ホームは親族や保証人に対して請求を通知します

それでも数ヶ月に渡って支払いが行われない

退去勧告

強制退去

 

 

このように強制的に退去させられるまでには猶予があります。

 

明日中に退去しなければならない、一度支払い遅延があったから強制退去…とはなりません。

 

猶予期間は2〜6ヶ月と有料老人ホームによって異なります。

 

入居時にかわした契約書・重要事項説明書に必ず記載されているので確認しましょう。

 

90日の猶予期間を置いているところが多いようです。

 

 

✔︎ 契約書の実例 

 

 

払えない理由【お金がない…】

 

有料老人ホームの費用が払えなく理由はシンプルに資金繰りが苦しいからです。

 

具体的な事例は以下のとおりです。

 

収入減

家族の失職で資金援助が難しくなった

介護者の体調が悪くなり働けなくなった

土地やアパートが希望価格で売却できない

コロナのような感染症や自然災害など想定外の出来事がおこった

 

親の資産を詳しく把握していなかった

思った以上に親に資産がなかった

いつのまにか親の貯金が尽きそう

毎月の持ち出しが介護者の家計を圧迫した

 

親の長生き

貯金がどんどん減っている

有料老人ホームからの介護にかかる請求が上がった

入居一時金をいれなかったことで月額費用が高いまま

 

負担がきつすぎて、早く亡くなって欲しいと考えてしまう家族もいました。

 

 

受け入れ先がみつからないと施設側も追い出せない

 

受け入れ先が見つからないまま介護施設を追い出された例は、高齢者にかかわる仕事を10年以上やっていますがみたことはありません。

 

これは利用者が介護の必要なことも多い…という物理的に追い出せない状態だということも考えられます。

 

追い出す=死、になる可能性があります。

 

また、支払い能力がゼロになるわけではなく、「少なくなる」ことがほとんどのため、安いところへ移動している…という現状もあります。

 

※支払い能力がゼロの場合は生活保護というセーフティーネットを利用することになります。

 

 

強制退去させられそうなときの対処法 5選

 

つぎの5つです。

 

 

①:資金の確認

 

②:老人ホームと相談

 

③:転居する

 

④:行政の制度を利用

 

⑤:生活保護の申請

 

 

少し詳しくみていきましょう。

 

 

①:資金の確認

 

まずは、「どのくらいの支払い能力があるか」を把握することはとても大切です。

 

支払いできる金額を把握しないと、正しい選択ができません。

 

貯金

年金

不動産(持ち家)

兄弟・親戚の援助

 

このあたりは今一度しっかり確認して捻出できるところがないか調べましょう。

 

そしてこれらをもとに「実際に毎月どのくらい足りなのか」を具体的に把握することはとても大切です。

 

 

②:老人ホームと相談

 

有料老人ホームと相談しましょう。

 

有料老人ホームによっては、

 

分割払い

猶予期間の延長

 

 

を検討してくれる場合があります。

 

まずは施設長や施設ケアマネを窓口にして相談してみましょう。

 

とはいえ、ここでも「払い続けられる目処があるか」は大事です。

 

払える目処がなければ、将来的な払う額も増えていくことになってしまいます。

 

 

③:転居する

 

転居は有効な方法です。

 

予算内で収まる老人ホームをみつければ、お金の心配がなくなります。

 

有料老人ホームからの主な転居先は以下のとおり

 

安めの有料老人ホーム

他の介護施設(特別養護老人ホーム、老健、軽費老人ホーム)

自宅

 

 

実際に、「月額費用10万円以下」の有料老人ホームや「入居金0円」の有料老人ホームもあります。

 

参考:【月額10万円以下も】相場より安い有料老人ホームを見つけるコツ

 

入居一時金は返却されることもあるので(賃貸でいう敷金のようなもの)、引越し費用に当てられる可能性もあります。

 

居住期間によるので、契約書を確認してみましょう。

 

さらに築古・駅から遠い・地方・相部屋…といったように条件を広げると月額の利用料も安くなります。

 

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他の介護施設、たとえば特別養護老人ホームは介護度3以上しか入れませんがその分入居一時金もなく、比較的安く利用できます。

 

自宅での介護は負担金は安くなりますが、介護者の身体的精神的な負担は増えることになるので注意してください。

 

 

④:行政の制度を利用

 

以下の3つの制度は検討の余地があります。

 

1. 介護保険の減免措置

2. 高額介護サービス費

3. 高額医療・高額介護合算療養費制度

 

 

転居して月額利用料を大幅に落とすことに比べて、爆発的な効果はすくないです。

 

すでにお金が尽きそうな場合は焼け石に水…かもしれません。とはいえ、月にして数万円の持ち出しを減らす効果はあります。

 

市区町村によって基準は異なりますが、受給の条件が厳しかったり、期間が決まっていることが多いです。

 

 

1. 介護保険の減免措置

 

市区町村から「介護保険負担限度額認定証」の交付を受け、介護保険料の減らすことのできる制度です。

 

市区町村が定める所得以下の場合に老人ホームの居住費、食費などの一部を減らすことが可能です。

 

条件によっては介護保険料は最大で7割ほど安くなる場合もあります。

 

減免の要件や内容、申請に必要な書類は個々のケースによって異なり、非該当となる場合もありますので、まずは住民票のある市区町村に相談をしてみましょう。

 

 

✔︎ 減免を受けられる条件の例

生活保護受給者の方及び次の条件の全て満たす方

1.世帯全員が市民税非課税
2.世帯の年間収入が、1人世帯の場合は150万円以下
(世帯員が1人増すごとに50万円を加算)
3.世帯の預貯金等(有価証券・債券等も含む)の額が、1人世帯の場合は350万円以下
(世帯員が1人増すごとに100万円を加算)
4.日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと
5.負担能力のある親族等に扶養されていないこと
6.介護保険料の滞納がないこと

引用:調布市 介護保険サービスの利用料軽減や介護保険料の減免・減額

 

つまり「年収や資産が一定以上あると補助できません」ということになります。

 

各市区町村で基準が違い、「補助する期間が決まっている」こともあるので、繰り返しですが、住民票のある市区町村に相談をしてみましょう。

 

 

2.高額介護サービス

 

1ヶ月の間に支払った介護保険サービスの合計額が定められた上限額を越えた場合に、越えた部分を補助してくれる制度です。

 

介護保険の減免措置として所得制限があり、期間は2年間。

 

個人だけでなく世帯全体の負担額の対象になるので夫婦合わせて利用することも可能です。

 

対象者に市区町村から通知と申請書が届く場合が多いです。

 

該当するかどうか、どのくらい支給されるのか…は市区町村の介護福祉担当の部署に確認してみてください。

 

同じ月に利用した介護サービスの利用者負担(支給区分限度超過分を除く)の合計額が、下表の負担上限額を超えた場合は、申請により超えた分が「高額介護サービス費」として区から払い戻されます。該当するかたには区からお知らせします。

引用:東京都豊島区 【利用者負担の軽減】高額介護サービス費

 

 

3.高額医療・高額介護合算療養費制度

 

1年間(8月1日〜翌年7月31日まで)の介護保険と医療保険の自己負担の合計額が上限を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。

 

介護費や医療費は身体の状況によって変化するので、経済的に圧迫されることがあります。

 

高額医療・高額介護合算療養費制度も年収によって制限が設けられています。支給対象になるかどうかは市区町村によって異なるので問い合わせしてみてください。

 

支給対象の場合、市区町村に申請を行う必要があります。支給対象になると、市区町村から介護自己負担額証明書が送られてきます。

 

参考: 高額医療・高額介護合算療養費制度の詳細

 

高額介護サービス費と同様、居住費や食費、福祉用具購入費などは対象外なので注意が必要です。

 

 

負担がゼロになるわけではない

 

①〜③、いずれも負担がゼロになる制度ではありません。

 

ですが、毎月の負担を減らすことができるので市区町村の窓口に相談してみましょう。

 

 

⑤:生活保護の申請

 

生活保護を申請するという方法もあります。

 

どうしても月額費用が払えない場合は検討したい選択肢のひとつです。

 

一方で、

 

3親等以内の親族に連絡がいく

クレジットカードが所有できない

生活保護で入れる有料老人ホームは少ない

 

といった欠点もあります。

 

そのため今の生活との差を感じてしまう場合もあります。

 

生活保護を申請したい場合は市町村の生活支援窓口もしくはケアマネージャーに相談してみましょう。

 

 

まとめ:強制退去をふせぐためには資金計画が大事

 

今回の記事をまとめます。

 

 

・有料老人ホームの資金が払えないと、強制退去になる

 

・数ヶ月の猶予がある

 

・強制退去させられそうなときの対処法は5つ

 

・①資金の確認 ②老人ホームと相談 ③転居する ④行政の制度を利用 ⑤生活保護の申請

 

・資金計画は大事

 

 

 

日本は人口の30%以上が高齢者という超高齢社会に突入しています。

 

物価があがったり、失業率があがる…といった不確定な要素でも、お金がない老人は増えてくるとも言われています。

 

「この先お金が払えなくなったらどうしよう」と不安を抱えてしまうケースはこれからもっと深刻になってきます。

 

余裕をもって資金計画を立てておくようにしましょう。

 

資金計画を立てるために有効な方法は、

 

 

・エンディングノートを作成する

 

・低価格の老人ホームをみつける

 

 

です。

 

エンディングノートを作成する

 

貯金や資産の把握には「エンディングノート」が便利です。

 

延命や介護されるときの意志も残すことができるので、残る家族に迷惑をかけたくない…と考える人にはとても便利なノートです。

 

参考:【結論:エンディングノート】認知症の祖母の資金を事前に確認できた話

 

 

低価格の老人ホームをみつける

 

いまは年金収入だけでも入れる有料老人ホームや入居金0円の介護施設もあります。

 

月額費用が安くなれば、払えなくなるリスクも低くなります。

 

参考:【月額10万円以下も】相場より安い有料老人ホームを見つけるコツ

 

不動産に関しては、土地を担保にして資金を調達できる「リバーズモーゲージ」という仕組みもあります。

 

お金で悩むのは辛いですよね。

 

今からでも遅くはありません。資金計画を立てて、最初から無理のない計画を立てるようにしましょう。

 

 

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