有料老人ホームへの入居を考えたとき、『入居までの流れ』はイメージしにくいですよね。
実際に、「老人ホームに入居するまでの流れは難しそう」「なにからやればよいのだろう」…と不安に感じるひとは多いです。
この記事では、
・有料老人ホームに入居する流れ「5ステップ」
・その際に気をつける「3つのポイント」
…を紹介します。
この記事を読むと、
・入居までの流れは難しそう
・親の身体が弱ってきて心配…
・親をなるべくはやく入居させたい
・認知症が進んできて自宅では難しい
といった人が、スムーズに老人ホームへ入居できるまでの流れがすべてわかります。
>> 「有料老人ホームの探し方・選び方」を知りたい方はこちらをどうぞ。
筆者は歯科医師です。
祖母の在宅介護を6年したあと、有料老人ホームに預けた経験があります。
普段は老人ホームで介護の必要な高齢者の歯の治療をしています。
毎日 Twitter(ありがたいことに1万人以上の方にフォローしてもらっています!)で医療と介護の情報を発信しています。
【5ステップ】有料老人ホームに入居するまでの流れ【正しい入所の手順】
つぎの通りです。
ステップ ①:資料をあつめる
ステップ ②:実際に見学する
ステップ ③:体験入居する
ステップ ④:入居を申し込む
ステップ ⑤:契約する
入居までの期間は平均で1ヶ月ほどかかります。
正確かつ効率的に入居できる流れを紹介していきます。
ステップ ①:資料をあつめる
まずは老人ホームの資料を集めます。
そのためには以下の方法が便利です。
・老人ホーム検索サイトを利用する
・地域包括支援センターに相談する
・担当のケアマネージャーに聞く
・雑誌、新聞で調べる
・知り合いから情報収集する
情報収集のコツは【シンプル】有料老人ホームのみつけ方・探し方 5選 で解説しています。
基本的に老人ホーム検索サイトを利用するのが、一番手間が少ないです。
・入居時期
・入居エリア
・費用
といった「希望条件」を自分なりに持っていると、しぼって検索することができます。
希望条件の探し方はこちら >>【5項目】理想の老人ホームへ入居する第一歩は「希望条件の洗い出し」
気になる有料老人ホームを見つけたら資料を請求してみましょう。
少なすぎると比較ができず、多すぎると迷ってしまうので、3〜5個くらいに絞るのがおすすめです。
✔︎ 絶対に利用すべき有料老人ホームの検索サイト3社
・LIFULL介護:業界最大級の介護施設ポータルサイト、月間300万人以上が利用
・シニアの安心相談室:主に有料老人ホームを掲載、都道府県認定の施設のみを厳選
・全国有料老人ホーム協会:重要事項説明書が確認できる、掲載数はやや少なめ
わたしは LIFULL介護 を利用して、祖母の有料老人ホームを見つけました。
掲載している老人ホームの数が多いので、どのサイトを使ってよいかわからない…という方にオススメです。
くわしくは有料老人ホームを探している人にオススメの介護施設検索サイト 3選【比較】で解説しています。
興味のある方はぜひ参考にしてください。
ステップ ②:実際に見学する
資料を集めたら気に入った老人ホームに「見学」の申し込みをしましょう。
実際に見学しなければわからないことも多いからです。
たとえば、
・スタッフの雰囲気
・居室の設備
・周辺の環境
・食事の内容
…この辺りは実際に確認しないとわかりませんよね。
サービスの品質も老人ホームによって様々なので、施設長に理念や技術を聞いてみることも大切です。
気になる費用なども再確認したいところです。
このように細かくチェックすると見学には1施設で1〜2時間ほどかかります。経験上、1日3施設を見学すると限界でヘトヘトになりました。
最近はオンライン見学できる施設も増えてきたので、活用すると便利です。
時間に余裕を持った状態で、老人ホームを探すのはとても大切です。
参考記事:【老人ホームの見学】見学者が注意すべきポイント 11選【シンプル】
ステップ ③:体験入居する【おためし】
見学をして気に入った有料老人ホームがあるから体験入居をおすすめします。
「実際に入居してみないとわからないこと」もあります。
体験入居は「おためし入居」とも呼ばれ、その名の通り色々と試すことができます。
たとえば、
・スタッフとの相性
・ほかの入居者との相性
・日当たりや騒音
・食事の好み
…などは住んでみないと分かりません。
何より、入居する本人の感想を聞くことができます。
費用は老人ホームによって異なりますが、1泊で5千円〜2万円ほどが相場です。
期間は数日から長ければ一か月ほど住むこともできる施設もあります。
急いで老人ホームを探している場合、体験入居は難しいかもしれません。ですが、これから長い間暮らすことになる老人ホームです。
後々のトラブルを防ぐためにも、できる限り体験入居をおすすめします。
むしろ、体験入居をすすめてくるかどうか…も、よい施設を見分ける一つの基準です。
✔︎ 急いで老人ホームを探すパターンも増えてきた
最近は急に老人ホームを探さなければならないパターンが増えてきています。
「親が急に倒れた」「病院から退院を迫られている」…
こういった状況になると、正直老人ホームを選んでいる時間はありません。
この場合は見学や体験入居は必須ではありませんが、以下で紹介する重要事項説明書だけはしっかり読みこむようにしてください。
ステップ ④:入居を申し込む
気にいった老人ホームが決まったら、老人ホームが準備してくれる「入居申込書」を記入します。
申し込み時に必要な書類は、
・入居申込書(施設が用意します)
・健康診断書(担当医に依頼します)
・介護保険証
・負担割合証
・健康保険証(後期高齢社医療保険証)
・印鑑
…が主なものです。
老人ホームによっては「住民票」「引き落とし用の銀行口座」が必要な場合もあります。
この辺りは老人ホームが事前に説明してくれるので安心してください。
入居申し込みを書いたら、面談・入居審査が行われ、その後に本契約となります。
面談・入居審査は施設にもよりますが、数日で結果がでることが多いです。
ステップ ⑤:契約する
入居審査が通ると契約にうつります。
これがおわると、正式に入居する運びとなります。
契約の際は「重要事項説明書」「入居契約書」「管理規定」の書類の説明を受けることになります。
難しい言葉が多く文字もびっちり書かれているので嫌になりますが、しっかり読み込みましょう。
重要事項説明書はその場でいきなり読んでもちんぷんかんぷんなので、事前に読み込んでおく事をおすすめします。
見学や体験入居の際にもらえることもあります。
わからない所、疑問な部分はかならず「契約前」に解消しておきましょう。
とくに、
・基本料金以外の費用
・入居一時金の返還
・部屋の原状回復
…といったお金に関する時効はトラブルになりやすいためしっかり確認しておきましょう。
これらに納得した上でサイン・捺印します。
参考:【実例あり】有料老人ホームにかかる費用を介護経験者がシンプルに解説する
老人ホームから必要な初期費用を提示されるので、期日までに振り込みましょう。
これで入居日になったら引っ越しをして、有料老人ホームでの生活がスタートします。
「入居までの流れ」で注意する3つのポイント
入居までの流れで注意する3つのポイントを紹介します。
有料老人ホームへ入居するまでの期間
冒頭で紹介した通り、有料老人ホームへ入居するまでの期間は大体1ヶ月〜2ヶ月です。
どんなに早くても2週間。
なぜなら、入居に必要な書類を集めたり審査を行うために時間がかかるからです。
空室があったとしても、「翌日から入居する」ということは難しいです。そのため、できるなら早めに準備しておくことが大切です。
資料の請求だけしておくと、初速が圧倒的にちがいます。
本人の意思を大切に
入居する本人の意思を忘れないようにしましょう。入居するのは本人で、そこで生活するのも本人だからです。
よくあるパターンとして家族が一生懸命になりすぎて本人の考えが置いてけぼりになることがあります。
「こうするべき」「この方が絶対良い」…
家族だからわかっているかもしれませんが、最終的に老人ホームに入居するのは本人だということを忘れないでください。
もちろん認知症が進行して意思の表示が難しい場合、家族の意思が重要です。
どうしても入居を急いでいるときは…
どうしても入居を急いでるときは、
・資料を取り寄せる
・申し込みをする
…の流れが最短での入居方法です。
「見学」と「体験入居」はおこなわない…ということです。
資料を取り寄せて、契約を前提にした見学をおこなう…というパターンもあります。
繰り返しになりますが、最近では「急に老人ホームを探すことになった」という事例が増えています。
その場合、なるべく最短のルートで老人ホームに入居する必要があります。
資料を取り寄せる段階で、しっかり絞り込むようにしてください。
✔︎【急いでいる方必見】
まとめ:有料老人ホームへの『入居の流れ』は難しくない
今回の記事をまとめます。
有料老人ホームに入居するまでの流れは次の5ステップです。
ステップ ①:資料をあつめる
ステップ ②:実際に見学する
ステップ ③:体験入居する
ステップ ④:入居を申し込む
ステップ ⑤:契約する
入居までの期間はおおよそ1〜2か月ほどかかります。
どうしても急いでる人は、「資料を取り寄せて、すぐに契約する」…が最短ステップです。
このように、有料老人ホームに入居するまでは確かに手間がかかります。そのため気持ちも焦りやすくなります。
ですが、「老人ホームに入居するまでの流れは難しそう」「なにからやればよいのだろう」と不安に感じるひとこそ、ひとつひとつ進めていきましょう。
そうすれば、希望に近い有料老人ホームを選ぶことができます。
素敵な老人ホームに出会えますように。
✔︎ 【無料で資料請求】おすすめの老人ホーム検索サイト
・LIFULL介護:月間300万人以上が利用するポータルサイト、初めてのひとにオススメ
・シニアの安心相談室:主に有料老人ホームを掲載、都道府県認定の施設のみを厳選
・全国有料老人ホーム協会:重要事項説明書が確認できる、掲載数はやや少なめ
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