「希望にあった老人ホームに入居したいけど、まず何をしたらよいかわからない」…と思っていませんか?
結論、どんな老人ホームに入居したいか…という「希望条件の洗い出し」が重要です。
この記事では、
老人ホームをみつけたいとき、まず何をすればよいのだろう…
…と疑問を感じている人に向けて、
・希望条件のチェックリストを作るのは大事
・チェックリストの作り方 & 書き方
・今の全身状態を把握しましょう
…といった内容をわかりやすく紹介します。
この記事をよむと、親の介護問題を抱えるひとの「希望に合う老人ホームなんてあるのかな」という不安が解消されます。
>> 「有料老人ホームの探し方・選び方」を知りたい方はこちらをどうぞ。
筆者は歯科医師です。
祖母の在宅介護を6年したあと、有料老人ホームに預けた経験があります。その後、特別養護老人ホームに転居しました。
普段は老人ホームで介護の必要な高齢者の歯の治療をしています。
毎日 Twitter(ありがたいことに1万人以上の方にフォローしてもらっています!)で医療と介護の情報を発信しています。
老人ホームへ入居する第一歩は「希望条件」の洗い出しです【チェックリストつき】
繰り返しになりますが、老人ホームへ入居する第一歩は「希望条件」の洗い出しです。
希望条件がわからなければ、希望の老人ホームに辿り着けない
老人ホームへ入居するためには「希望条件」を把握することが大切です。
「どのような老人ホームに入居したいか」…です。
これをしっかり把握しないと軸がブレブレで、入ってみたら全然違ったということになりかねません。
とはいえ「希望条件ってなんだろう」「具体的にどんな項目があるのだろう」と思う方もいると思います。
漏れがないようにチェックリストで解説します。
✔︎ 「なぜ入居したいか?」…も参考になる
「どのような老人ホームに入居したいか」ではなく「なぜ老人ホームに入居したいか」を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
関連記事:【納得】親を『有料老人ホーム』に預ける理由 10選【物差しをもとう】
希望条件をみつける参考にもなります。
【5項目】希望条件のチェックリスト
希望条件のチェックリストは以下の5項目です。
・入居を希望する時期
・入居を希望する地域
・希望する費用
・必要なサービス
・重視するサービス
すこし詳しく解説します。
入居を希望する時期
例)
・できるだけ早く
・〜ヶ月以内
・良いところがあれば
・将来的
入居を希望する地域
例)
・居住地の近く
・家族の家の近く
・自然が豊かな所
希望する費用
総費用: 円以内
前払い: 円以内
月額料金: 円以内
必要なサービス
例)
・食事介助
・糖尿病の通院
・胃ろうの管理
重視するサービス
例)
・部屋の広さ
・レクレーションの頻度
・医療ケアの充実度
・食事のおいしさ
・夫婦同部屋
・看取りまでしてくれる
この5項目を埋めると、選ぶ基準がクリアになるだけでなく、条件に当てはまらない老人ホームもハッキリとわかるようになります。
✔︎ 希望条件のPDFファイル
上記のフォーマットをPDFファイルでおいておくので、必要な方はご自由にダウンロードしてください。
PDFファイル(フリーダウンロード) >> 希望条件チェックリスト
【具体例】祖母の場合
私の祖母の場合の希望条件の洗い出し例を紹介します。
私の祖母は在宅介護から有料老人ホーム、そして最後は特別養護老人ホームで生活しました。
有料老人ホームに入居するときの希望条件リストになります。
【実例】祖母が有料老人ホームに入居したときの希望条件リスト
状況としては、
・認知症がすすみ入居を急いでいた
・特別養護老人ホームの空きがなく、空きを待つまでの間の入居
・空きのあった入居一時金300万円、月額負担17万円の老人ホームに入居した
・貯金1,000万円の他に、年間200万円ほどの年金を受給していた
・月額負担のほとんどを年金で賄うことができた
・医療依存度が高くなった場合は看取りが難しい老人ホームだった
・約2年後に看取り可能な特別養護老人ホームに転居することができた
…です。
希望条件チェックリストの簡単な作り方
希望条件を簡単につくるコツは、
・いつから?
・どこで?
・いくらで?
・何を?
・いつまで?
…をひとつひとつ整理することです。
いつから?【希望時期】
いつから入居したいのか、希望時期を明確にしましょう 。
緊急性によって選ぶ老人ホームは変わってきます。
・今すぐ
・数ヶ月以内
・元気なうちに
・将来的に考えている
スピード重視なのか、じっくり予算まで検討できるのか…は大きく違います。
例えば急な病気になり、すぐに介護が必要になった場合は悠長に探している時間はありません。
逆に将来を見据えて老人ホームを探しておくと言うのであれば、家族も含めてじっくり検討することができます。
置かれている立場や状況を把握することが第一歩です。
どこで?【希望エリア】
どこで面倒を見てもらいたいか…も大切です。
立地は入居者だけでなく介護する側にも影響があります。
具体的には、
・いま住んでいる地域
・家族の近くのエリア
・自然豊かな場所
・家族におまかせ(本人の判断能力がない場合)
…などが考えられます。
入居者するひとのために住み慣れたエリアを選択する場合はかなり多いです。
家族が遠方に住んでいる場合は近くに呼び寄せるパターンもあります。
入居を希望する老人ホーム(介護施設)が「駅から何分」「車で何分」なのかも具体的にしておくと、面会の予定もたてやすいです。
いくらで?【希望予算】
老人ホームに入居する前に、予算はしっかりと把握しておくべきです。
安心して入居し続けるためにはお金は必要だからです。
・現金(貯金)がいくらあるのか
・現金(年金)が毎月いくら入ってくるのか
…この2つを知らずに老人ホームに入るのは危険です。
これらは、
・入居一時金 ← 前払い費用
・月額利用料 ← 毎月の家賃
…の基準になるからです。
費用が払えなくなると、退去せざるを得ない可能性もあります。
参考:有料老人ホームの費用が払えなくなったときの末路【対処法あり】
現金がない場合は、土地を精算して老人ホームに入居する人もいました。逆に、年金だけでなく家賃収入があり、予算的には楽だった家族もいます。
資産を知ることが家族の安心にもつながります。
何を?【どんなサービス?】
どんなサービスを希望するかによって、老人ホームの選択を絞ることができます。
老人ホームによって設備やサービス内容が違うからです。
設備としては、
・広さ(〜㎡以上)
・収納
・お風呂
・キッチン
・ネット環境
・ナースコール
・夫婦同部屋
…などがついているかどうかは、老人ホームによって違います。
サービスとしては、
・通院時の付き添い
・人員配置 職員体制
・外部事業所との連携
・家族との連携(家族懇親会
・レクレーション(コミュニケーションの機会
・対応できる介護サービス(食事・排泄・入浴…)
・対応できる医療行為(透析・胃ろう・痰吸引…)
…などがあげられます。
いつまで?【将来の希望】
いつまで?を考えておくのも大切です。
老人ホームは終のすみかと思われがちですが、実はそうでないパターンもあります。
医療依存度や身体的状態によって寿命まで生活できない老人ホームもあるからです。
・状況に合わせて転居も仕方ない
・看取りまでしてほしい
…は決めておくと、将来的にスムーズです。
参考記事:有料老人ホームを探している人にオススメの介護施設検索サイト 3選【比較】
全身状態のチェックもわすれずに
希望する条件を漏れなくあげるためには「いまの全身状態」の情報は必須です。
チェックリストの「必要なサービス」をより具体的にするためです。
全身状態のチェックリスト
全身の状態
例)
・自立
・要支援 1 or 2
・要介護介 1or 2 or 3 or 4 or 5
認知症の有無
例)
・なし
・年相応の物忘れ程度
・日常生活は可能
・意思の疎通が難しい
必要な介護サービス
例)
・食事は自力でとれる
・排泄介助は必要
・入浴介助は必要
必要な医療ケア
例)
・透析
・経管栄養
・夜間痰吸引
これらは、老人ホームの選ぶときの重要な判断材料になります。
見学するときの参考にもなります。
関連記事:【必見:75項目】老人ホームの見学で使えるチェックリスト【モレなし】
対応できる医療行為も老人ホームによって異なるため、しっかり把握しておくと便利です。
まとめ:希望にあった老人ホームを目指して
今回は、老人ホームへ入居する第一歩は「希望条件」の洗い出しが大事…ということを実体験をまじえつつ紹介しました。
✔︎ 希望条件のチェックリスト
・入居を希望する時期
・入居を希望する地域
・希望する費用
・必要なサービス
・重視するサービス
さらに、
✔︎ 健康状態のチェックリスト
・全身の状態
・認知症の有無
・必要な介護サービス
・必要な医療ケア
…を把握することで、より細かく条件を洗い出すことができます。
希望条件の洗い出しは「希望に合う老人ホーム」をみつけるためにとても有効です。
「希望にあった老人ホームに入居したいけど、まず何をしたらよいかわからない」と思う人ははぜひリストアップしてみてください。
介護は「待ったなし」です。
親の介護問題を抱えるひとの不安が少しでも晴れますように。
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